生分解性塗料、自然素材ルアーでの釣行記録

釣行で使用したルアー

釣行で使用したルアー

今回はこの記事で製作したルアーが、どのくらい実釣に耐えられるか確認するべく、釣りに行ってきました。

このルアーについては、リンク先の記事で書いていますが、ザックリ言うと、コーティングは生分解性のある酢酸セルロースを使い、内部の構造線、リップ材料についても従来の金属線やガラエポ板ではなく竹や麻を使うことで自然素材割合を高めた物です。

このため、強度面の心配があるため、実際に使って耐久性がどんな感じか見てみました。

今回の釣り

釣りをした場所の写真

今回はこんな感じの場所で釣りをしました。まだ4月第一週なのでルアーのような疑似餌釣りには厳しい季節なので、本流で里川エリアに行きました。

実はこの場所、今年初めて入った場所ではありますが、3月末の前週にもこのルアーをテストするべく来ており、その際は何回かバイトがありましたが釣り上げる事はできませんでした。魚がいる事は分かっているので、リベンジでまた来てみたといった感じです。

釣りをした場所の写真 桜

ちょうど桜もあちこちで咲いていていい感じです!

この時期は朝一で入渓しても寒くて釣果も渋いイメージなので、11時半頃のスタートです。水温も測ってみたら11℃だったので、この位ならルアーでアマゴ域でもなんとか大丈夫かなと。

早速、新たに作ったルアーをスナップの先に取り付けてキャスト、リトリーブして感触を確認します。泳いで戻ってくるルアーの動きを見ても問題なさそうです。今まで作ってきたルアーたちと似たような感じです。

竹製アイにスナップを付けた状態

ただ、一つだけちょっとしたデメリットがあります。ラインとルアーを接続するのに、小さなスナップを使っているのですが、ルアーの構造線を金属から竹にしたために、アイが太くなっています。このため、小さなスナップでは竹製アイの周りを自由にスナップが動く事ができず、ルアーの動きも悪くなってしまいます。

なので、今回は対策として輪っかが大きいスナップを用意しました。(写真上が大きいスナップ、写真下が通常のスナップを付けた状態です。)

竹製アイにスナップを付けた状態

スナップ単品の写真です。全長はどちらも10mm未満で小さいですが、今回使用した写真上側のスナップは、ルアーを付ける部分だけ大きく膨らんだタイプです。これだと、今回の竹製アイでもスナップの輪っか部分に余裕ができ、スムーズに動きます。ルアーの動きも制約がなくなり従来通りの動きに戻りました。

または、スナップを使わずにライン直結びでも良いと思いますが、なかなかルアー交換が面倒になるので、私はいつもスナップ使用です。

1匹目を釣った場所

このルアーを使った釣果ですが、2匹釣れました。

1匹目を釣った場所です。なだらかな流れの対岸からルアーを引いてきたところ、大石のあたりからパッと出てきてアタックする瞬間までシッカリ見えました!こういうふうに見えるのが、ルアー釣りの楽しいところですね。

1匹目のアマゴ

水中では、そんなに大きく見えませんでしたが、釣り上げてみると、体高もあってまあまあなサイズです。

ちょうど良いサイズなので、この1匹は持ち返りさせてもらいました。久しぶりにアマゴが食べられます。釣りと、ルアー作りも好きですが、鱒系の魚を食べるのも好きです。

釣行中はメジャーを持ち歩いてないので、いつも魚の大きさはアバウトですが、この魚は持ち帰ったので家で測ると27cmと十分な大きさでした!

2匹目のアマゴ

続いて2匹目。

サイズダウンして、15~20㎝といった感じでした。こっちも、なだらかな流れの中にある大石のあたりから出たようですが、結構距離がある箇所だったので、手元の感覚だけでフッキング、落ち着いて引き寄せてネットインです。

小ぶりですが、透明感のあるとても綺麗な魚体でした。

こっちは綺麗にフックが外せましたし、1匹すでに良いサイズをキープしているので、即リリースです。

他にもルアーへのアタックはあり、うまくフッキングしなかったり、手元でバラしたりしてるので、魚の活性自体は4月初めとしては悪くなかったです。ルアーのテストを主目的に来ています、結構楽しめました。

使用後のルアーの状態(竹リップ)

釣りを終えた後のルアーの状態です。

一番心配していた竹製のリップですが、なんとか持ちこたえています。ガラエポ板で作っても角は丸まってきますが、この竹製のリップも同じように丸まってはいます。

1mm厚にした竹板を、リップの形に切り出し、縁は薄くテーパーを掛けていますが、折れたり割れたりといった事は起きていません。ただし、酢酸セルロースの液に3日くらい付けて、コーティングも掛けているので耐久性が出ていると思います。過去に特に処理しなかったものは、木目方向に割れた事があります。

まだ、使用実績も少ないので、継続して確認ですが、リップ自体には大きな問題はなさそうです。ただ、リップをボディに差し込んで、濃いめの酢酸セルロースを接着剤代わりにして固定していますが、この接着強度に問題がありそうです。だんだんグラついてきます。リップ自体は良い感じなので、この接着方法はもう少し工夫が必要ですね。

あと、アイの部分も竹で作っています。写真を見ると擦れて塗装が剥げていますが(おそらく岩に当たったり、川底に擦れたのでしょう。)、この部分は使用中に割れたり壊れる事なく、使えています。ちゃんと魚も釣り上げられているので、構造線を竹にする方針も何とかなりそうです。

テールアイのダメージ具合

最後にテールフックをつけるテールアイの耐久性です。

この部分も結構高い負荷が掛かるパーツです。どうしてもキャストした時に岩にぶつけたりするので、強い衝撃が加わりやすく金属線で作っても、キチンとした材料で強度を出して作らないと、すぐに曲がったりボディにめり込んだりする箇所です。

この部分は2つのパターンで作ってみました。

一つは、フロントのアイと同じように竹で作り、もう一つは麻ひもで輪っかを作りコーティングを掛けて作りました。

写真の上側が竹製です。写真では分かりにくいですが、竹が割れてしまいました。

写真の下側が麻ひもで作った物です。こっちは、多少すり減っていますが、意外にも変形したり、割れたりする事無く持ちこたえています。麻に酢酸セルロースセメントがしみ込んだ後、その上にコーティングが掛かることで結構高強度が出ているようです。麻ひもと酢酸セルロースセメントは相性が良さそうです。

次のルアーからは、この麻ひもタイプで多めに作ってみようと思います。フロントアイはダメージを受けない位置である事と、ルアーの泳ぎに影響が大きい部分なので、フロントアイは今まで通り、真っすぐ精度が出る竹を継続することにします。

また木を切り出してルアーを作り始めているので、5月にまた釣りに行けたらいいなと思っています。だいぶ魚の活性も上がっているでしょうし。

ただ、最近は熊の活性も上がっているようで・・・要注意ですね。