自作塗装ブースとエアブラシ
新旧エアブラシ

ルアーの色付けを行うための道具の紹介です。
今までは、この写真のような簡易充電式エアブラシを使い、集塵機代わりの小さな卓上空気清浄機(写真奥)に向かって吹くことで塗装を行っていました。塗料は水性に限定していたので、軽く窓を開けておく程度で塗装できていました。
この方法だと手軽でよいのですが、充電式エアブラシは思いのほか電池切れが早く、ルアー1、2個なら良いのですが、何色も使って、もっと沢山の数のルアーを作ろうとすると途中で電池切れになってしまいます。(この機種はコード挿しっぱなしでも使えますが)
また、水性塗料は劇的に臭いが低減できますが、長時間使用していると、軽く窓を開けている程度では、やはり部屋に臭いも籠ります。(いったん部屋から出て戻ると分かる程度なので僅かではあります。)
あとは塗装メインでルアーを作るようになったので、もっと良いエアブラシを使ってみたいというのもありました。
ということで、エアブラシと塗装ブースを当初の簡易版から、ある程度しっかりしたものに変更しました。

使用感ですが、静音が特徴になっている通り、確かに静かです。ブーという低い音がしますが、夜に部屋で使っても、隣接している部屋に音が響き渡ることもないので、気兼ねなく使えて、とても良いです。
ただ、机にそのまま置くと、ゴム足が付いているとはいえ、振動音が机に伝わって騒音が周囲に広がります。なので、100均で地震対策グッズとして売られている粘着ゲルパッドを敷いて対策しています。
塗料を吹いた感じですが、残念ながら私の技量では充電式のエアブラシと特に違いは感じられませんでした。細く吹いてみたり、広く淡く吹いてみたりしましたが、まあ似たようなものでした。エアブラシ上級者が細かなペイントをする際には違いも出るのでしょうが、凡人が少し色付けする程度ならば、安価な充電式エアブラシも結構使えるもんだと感じました。
地味ですが優れていた部分としては、ハンドピースの作りが非常に丁寧で、綺麗に作られています。ここで吹き付け精度も向上していると思うのですが、誰でも分かる事として塗料カップの内側が綺麗に表面処理されているおかげで、塗料が固着しにくく洗浄が楽になりました。
細々といくつか書きましたが、目的であった、電源入れっぱなしで連続使用OK、音も静か、電池切れの心配もなしということで、求めていた機能が得られ良いものでした。
自作塗装ブース

次にこっちの写真が塗装ブースです。簡単な物を自作しました。
これも煩い物は避けたかったので、タミヤのペインティングブースII(amazon 楽天)、クレオスのMr.スーパーブースコンパクト(amazon 楽天)といった静かなタイプの購入を考えましたが、できるだけ費用を抑えたいのもあり自作しました。
どんな感じで作ろうか調べたところ、ネロ式ブースという物が集塵、排気効率が良さそうなので、そのタイプを真似して作ってみました。静かなファンは風量が小さめで、排気能力が劣る傾向かと思いますが、低風量でも比較的ブース外への臭気漏れを抑えられるのでは思います。
それと、ルアー塗装ではそんなに大きい物は必要ないので、できるだけコンパクトに作りました。各辺30cmの立方体です。
ネロ式ブースにも排気の流れなどを考えたデザインのノウハウがあるのだと思いますが、見よう見まねで適当に作っただけとはいえ、排気装置としてキチンと使えています。(ネロ式ブースは色々な所で紹介されているので、詳しい事は塗装関係のサイトなどを参考にされると良いと思います。)
このブースですが、ファンとダクトはamazonで買って、本体はダイソーで5㎜厚のスチロール板を買ってきて作りました。
ファンはパナソニックのFY-08PDX9という型番の室内換気用のファン(amazon 楽天)で、100Vコンセントのケーブルだけ付いています。なので、電源ON/OFFはコンセントタップのスイッチで行う感じです。似たような換気扇は沢山売られているので、風量とか騒音レベル、サイズなど見ながら適当なものを選べばよいと思います。ダクトは、100㎜のアルミダクトホースを使っています。
スチロール板の強度は高くないですが、30cm程度の箱を作るのであれば問題ないだろうと思い、これで作りました。スチロール板の良いところとして、柔らかい素材なので、カッターでサクサク切れて手軽に箱型のブース本体を作ることができます。接着剤での接着は難しい素材ですが、ガムテープで箱型に貼り合わせています。
スチロール板は油性溶剤には弱いので強い溶剤を使う人は、木や金属などで作った方が無難かもしれません。ただ、私も溶剤系として酢酸セルロースセメント(アセトンやアルコール類が入っている)を吹いていますが問題なさそうです。対策として、エアブラシを吹くエリアは、アルミ箔や段ボールを張り付けて直接溶剤がスチロール板に当たらないようにしているので、その防御策のおかげで使用できていると思います。

ファンを置く場所は写真のように穴が空けてあります。
ファンは箱への固定はせず、ただ乗っけているだけです。使用中でもファン自体の重量でズレることもなく、固定方法を考えるのも面倒なので、このままです。
ただの手抜製作でしたが、使わない時は本体部分とファンを別々にして片付けられるので、実はこの方が便利だなと思い、ずっとこのスタイルで使っています。
ちなみに銀色の蛇腹ダクトの排気口末端は、使う時だけ窓のサッシで挟んで外に向けて固定しています。
常設ではないので、使う時だけパッと置いて使う感じのお手軽ブースです。軽くてコンパクトなので、設置、撤収も楽々です。
ファンとダクトで5000円くらい、スチロール板(サイズ450mm×840㎜)は3枚で300円、その他にガムテープなど入れても6000円程度で製作できています。
この塗装ブースと、エアブラシでルアーをいくつか塗装をしてきましたが、部屋に臭いが籠ることもなくなり良い感じです。ただ、排気ダクトを窓のサッシで挟んでいるので、必要以上に窓が開いてしまい、冬は寒いですね・・・
その対策までとなると、排気ダクトは室内の換気口に繋ぐか、窓のサッシに合わせたサイズの板でも準備して、その板にダクト径の穴を空けて接続するか・・・なかなか大がかりになるので寒いのは暫く我慢ですね。
