酢酸セルロース塗料カラー追加、製作方法改良

酢酸セルロース塗料

生分解性の酢酸セルロース樹脂を使用したエアブラシ塗料、ディッピング用クリア塗料など、ルアーを作るためのコーティング液は一通り固まってきました。また、作ったルアー数も増えてきて、強度なども問題なさそうな感じです。まだまだ、色も少なかったので、もう少しいろんな色合いが出せないかと思い、顔料を新たに買って作ってみました。

新顔料と塗料

顔料は今までと同様、絵具のクサカベから販売されているピグメントです。

写真に写っていますが、偏光パールグリーン、偏光パールレッド、チタニウムホワイトです。

キラキラのルアーを作ろうと思い、パールカラーの顔料を試してみました。作り方は今までと一緒で、顔料をまず溶剤(ジアセトンアルコール)で良く練って馴染ませた後、エアブラシでも吹ける薄めのセルロースセメントに溶かして完成です。

パール塗装は下地が透けるような色合いで、下地の色で仕上がりの感じが変わる塗装方法のようです。なので、下地の一つとして、白色も併せて作ってみました。

新顔料で塗装したルアー

作った塗料で塗装してみたルアーです。

緑色の下地に緑のパールカラーを吹き付けたルアー(写真左)、赤系の下地に赤色のパールカラーを吹き付けたルアー(写真右)、白下地に緑と赤のパールを吹き付けたルアー(写真中央)の3種類です。

ただの緑や赤で塗装したものと違い、キラキラした感じがあり、明るい色合いのルアーになりました。白で下地塗装をしたものはパステルカラーのような感じで今までにないルアーになりました。カラー塗料を重ね吹きする回数が増えるので、ひと手間ですが、こんな感じのカラーも変わってていいですかね。

バンブーリップ

薄板化した竹

昨年テスト的に使用していた竹で作ったリップ(バンブーリップ)ですが、今回は全て竹製にしてみました。薄板化した竹(0.8mmくらい)にリップ形状を印刷した紙を貼り付け、それを切り取って作ります。

切り出した竹製リップ

切り出したリップです。精密のこぎりで切り出して、曲面部分はヤスリで仕上げています。1mmもない板厚で、こんな形の物でも折れたりする事無く使えています。

強度は問題なさそうなのですが、使用しているとどうしても水を吸ってしまいます。何か問題か?というと特に強度が落ちるわけでもなく、若干吸水した分重くなっている程度だと思うので、何てことない気もしますが。ちょっと気になります。

竹浸漬道具

ということで、このバンブーリップに対して塗装とかも考えましたが、セルロースにディッピングするだけでは、使用中に角が削れると、そのままペロッとコーティングは剥がれてしまいます。

なので、何か良い方法はないかと調べていると、バンブーロッドの竹はインプリグネイティッドという樹脂含浸の技術があるそうです。

竹を樹脂溶液に浸けて、負圧にして竹内部のガスを抜いたり、加圧して内部に樹脂を押し込んだりするようです。

とりあえず実験的に作ってみたのが、この写真のコック付きガラス瓶です。中にはディッピング用の酢酸セルロースセメントとバンブーリップが入れてあります。

コックの先にはゴムチューブがありますが、ここに注射器を差し込んで、シリンジで内部の空気を抜き出して負圧にしていきます。(コックの開閉をしながら何度も注射器で瓶内部の空気を抜いていきます)

竹浸漬道具で空気を抜いた状態

本来は不揮発性で低粘度の樹脂溶液(硬化剤で固める樹脂溶液や、熱硬化する樹脂溶液)に対して行うことなので、溶剤が揮発して硬化するセルロースセメントには不向きな方法なのは間違いないと思います。それでも空気だけでも瓶内から抜いてあげれば、瓶内は溶剤の蒸気圧だけになるので、いくらか負圧になるはずです。とはいえ、高真空にはならないので、気休めかもしれません。

それでも空気を抜いていくと写真のように、ブクブク泡が立ってきます。竹の空気が抜けているのか、単に溶剤が沸騰しているだけなのか?どっちがこの泡の正体なのかよく分かりませんが。なんとなく効いてそーな雰囲気はします。

このセルロースセメントは沸点の低いアセトンが入っているので、高沸点のジアセトンアルコールのみで樹脂を溶かした液でやると、より真空度が上がり良いのかもしれません。

完成ルアーと釣行

2026年初釣行新作ルアー

そんな感じで仕上げた今年のルアーたちです。

ここまで書いたように、塗料を追加してカラー数を増、それからバンブーリップを全面的に採用しました。

その他に製作のコツとして別の機会に書こうかとも思いますが、ルアーを作っている時に課題だと思っていた製作精度を上げられるよう治具とかを導入して変なバラつきや歪みがなくなるように作りました。

ボディシェイプの対称性とか、オモリ穴の深さ、リップを取り付けるためにボディに空けるスリットなど、このあたりの出来の良し悪しで泳がせたときに傾いたり、水嚙みが悪くなったりする印象があります。大切なのは、できる限り丁寧に作ることですが、加工方法も見直すことで失敗作になる事が減ってきました。

一時期、フロントアイを竹とかにもしてみましたが、精度が出ないのと、微調整が難しいので、やはりここは針金で作る事にしました。

こんなことを色々入れ込んだルアーたちです。

釣行場所の景色

今年も渓流解禁してから、そろそろ1か月になります。ルアーには反応が鈍い時期で厳しいですが、新ルアーたちを試したくてこんな所に行ってきました。

釣果は置いておいて・・・ルアーの出来はいい感じです。加工精度が上がったためか、失敗作は無く、なんとなく今までの物と比較しても水流に対する限界が上がっているような印象もありました。丁寧に精度良く作る事は大事なんでしょう。

バンブーリップは真空含浸をしてみましたが、どうかな??効果あるんだろうかという印象でした。普通に濡れているし。それでも、折れたりもしないし、実用上は問題なさそうですけど。この含浸方法はセルロースセメントの組成なんかも変えてみながら、もう少し試せる事はないか、やってみようと思います。

26年初釣果

そして釣果はこんな感じ。

小さいアマゴさん1匹でした。

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