フィルム仕上げでの色付け方法
簡単に色付けする方法である「のびるフィルムを貼って仕上げる方法」です。
塗装する場合は下地が整っていないと、綺麗に作れませんが、フィルム貼りの作り方だと、下地ディッピングは無くても大丈夫です。フィルムを貼った後に仕上げのディッピングをするだけなので早いです。また、色流れの心配もありません。

このフィルムを使います。材料紹介のページへ
製品名の通り、のびるため、平面ではないルアーにもフィルムが上手く貼り付けることができます。

まずはパソコンでルアーの色、模様を作ります。画像の例は、フリーソフトの図形描画で作りました。
ボディ側面用2枚(右側面用、左側面用と左右反転した画像が必要です。)、背用1枚、腹用1枚の合計4つの画像フィルムでボディ全面を覆います。
簡単な絵なので、エクセルとかパワーポイント何でもできると思います。

印刷したフィルムの一例です。このカラーは、少し絵を工夫して頭の部分が黒塗りになるように絵を作っています。
このフィルムですが、フィルム自体が結構インクを吸うようなので、手早く印刷するモードだとかすれたりします。
プリンターによって設定方法が違いますが、写真用とか、綺麗印刷とか、ゆっくり印刷するモードで印刷した方がよいです。

まずは側面用のフィルムから貼ります。1枚を切り抜いたら、ボディにあてがって写真のように伸ばして貼り付けます。(ここだけ写真のフィルムが違うのは、撮り忘れて古い画像を使っているからです。)

背と腹の部分はボディが湾曲しているので、ボディに巻き付けるようにフィルムを引っ張りながら、背(腹)の曲面に貼り付けます。
頭や尾の金具が干渉してくるので、その部分はカッターで写真のように切り込みを入れると貼りやすいです。

背の曲面にだいたい貼り付いたら、カッターで写真のような感じに余分なフィルムを切り落とします。
フィルムの上から、ボディに少し刃を入れて切ってしまいます。(少しボディに切れ目が入りますが問題ありません。)
よく切れるカッターでないと上手くいかないので、先端が丸まっているようであれば、刃は折ってよく切れるようにしておきます。

腹側も背と同じように貼り付けて、余分な部分を切り落として写真のような感じにします。
そうしたら、反対側の側面も同じ要領で貼り付けます。

両側面にフィルムを貼り付けた状態です。

両側面のフィルムに被せる様に背のフィルムを貼り付けます。
側面フィルムと背フィルムの一部を被せて貼り付けることで、ボディをフィルムで包み込みます。

背のフィルムの余分な部分をカッターで切り落とします。
ここは少し力加減が難しいですが、背のフィルムと側面フィルムが重なっている箇所で、背フィルムの上からカッターの刃を軽く入れて、上側の背フィルムだけを切り落とします。(下の側面フィルムは切らないように、上側の背フィルムだけを切る。
こうやって現物合わせして背フィルムを貼り付けた方が仕上がりが綺麗なのですが、難しいようであれば、5~7㎜幅くらいの細長い直線の背フィルムを切っておいて、それを貼るだけにすれば簡単にできます。

同じように腹側のフィルムも貼ります。
腹側は中央部にフック取り付け用の金具が出ているので、その部分はフィルムに切り込みを入れて金具を出すようにします。

最後に目玉を貼り付けてフィルム貼りの完了です。
パーマークや頭の黒い部分など、見た目をちょっと良くするには、印刷するフィルムのイラストを描く段階で位置関係や大きさなど少し調整が必要ですが、 一回作ってしまえば同じルアーが複製できます。

フィルム貼りが終わったら、セルロースセメントでディッピングして仕上げます。
印刷したカラーは色流れしないので、そのままディンピングできます。
印刷した後のフィルムはスリガラスのような感じがありますが、コーティングすれば透明な光沢感のある仕上がりになります。
フィルムの継ぎ目など、どうしても作りの粗さがありますが、細かな模様も印刷ならば簡単にできて色流れもしないので、そこそこの見た目のルアーを作ることができます。