セルロースセメント

ハンクルセルロース

セルロースセメントは、いくつかの会社から販売されていますが各社特徴があり使い勝手が異なります。

私も数種類しか使っていませんが、その中ではハンクルの製品が、すごく使いやすかったので、これをおすすめしておきます。

ハンクルの物は、適度な粘度、濃さ、揮発速度であり、何も考えずに、そのまま原液にルアーをどぼっと浸けて、コーティングしていけば丁度良い厚みでコーティングされていき、仕上がりも綺麗です。

いくらかリターダーのような物が入った上で組成調整されているのか、白濁もしにくい感じがします。下の方で紹介していますが、藤倉の物は条件によっては浸けてから引き上げている最中に、どんどん白化しますが、ハンクルの物は白濁したとしても軽度で済みます。

なので、雨が降っているような湿度の高い日でも、私が昔から行っている対策(ドライヤーで軽くブロー)だけで、簡単に透明で綺麗な被膜で仕上げる事ができます。また、秋~梅雨前くらいまでは対策なしで、白濁を起こさずに作業できます。

また、フィルム貼りの仕上げで製作する場合も、溶剤が強すぎてフィルムが剥がれてくることもありません。

ただし、塗装してルアーを作る場合は、このセルロースセメントだけで何も考えずに原液ディッピングでは色流れが起きてしまうので、塗装直後のディッピングに使うには、やはり何か工夫が必要です。

私はやっていませんが、希釈液で薄めてエアブラシで吹くとか、なるべく薄めてディッピングするなど調整が必要だと思います。

このハンクルのセルロースセメントは、基本性能というか、素性はとてもよい感じがします。

⇒amazon セルロース(ハンクル)
⇒楽天 セルロース(ハンクル)
アクセルセルロース

これはアクセルのノントルエンセルロースセメントです。

これも特徴的ななセルロースセメントで、ノントルエン、ノンキシレンであり溶剤成分について健康面の配慮がされている物です。

それ以外の特徴として、まず缶を開けたときに中を覗き込むと、黄ばみが全くなく透明です。缶に「絶対的透明度」と書かれていますが、確かに他には無い圧倒的な透明度です。

ただ、ルアーにコーティングしてしまうと、膜厚は1㎜もないくらいなので、普通の多少黄色いセルロースでも透明に見えるので、残念ながら仕上がりは変わらず、特にメリットではない気がします。

あとは、粘度が低く、サラサラしています。このため、一度にコーティングされる膜厚が薄く、時間が掛かります。ですが、薄い液で、溶剤も弱いということで、塗装直後のディッピングに使うと色流れしにくく色止めには向いているように感じます。この特徴を生かして、こちらのような塗装仕上げの方法に使うこともできます。

藤倉セルロース

私も一時期使用していた藤倉社製のセルロースセメントです。

藤倉応化工業という、塗料などの化成品を製造している会社がインターネット通販のサイトも運営しており、そこから購入できます。

ここのセルロースセメントですが、圧倒的に目立つ特徴として「濃い」です。ニトロセルロースを溶かすための最低限の溶剤で仕上げたかのような、ドロドロの濃い液です。

希釈して使用すること前提のベース原料というような感じします。原液にディッピングすると、大量にルアーに付着して引き上げられ、乾燥も早いようで、引き上げている最中にも白化したりします。手軽さという面では劣ります。

ただ、希釈液や、リターダーを使いキチンと使いやすい状態に調節すれば良いのであり、中身の濃い液を直販サイトで安価に購入できる事を考えれば良い選択肢の一つだと思います。直販サイトで、セルロースセメントと合わせて、溶剤など必要な物をそろえて、使いこなせる人向けといった感じがします。