セルロースセメント(藤倉)

藤倉セルロース

このセルロースセメントは、藤倉応用化工という会社の物です。ルアー製作をしている人であれば、 ここで紹介しなくても知っている方が多いのではと思います。この会社の製品は、ホームページから直接買えることもあってか、 安価に手に入れる事ができます。

その他、希釈用の溶剤や、器具なども取り扱っています。私もリターダーなど購入するために利用しています。

また、セルロースセメントですが、濃いためランニングコストが良く、しっかりと硬くなるので評判が良いようです。 ただ、個人的には原液で使うと、ドロドロしていて使いにくいのと、溶剤が強いのか、フィルム貼りでルアーを作った場合、フィルムが剥がれやすく、なかなか使い方が難しい印象です。(当ホームページでは、塗装をしないでフィルムを貼って代用する製作方法も紹介しています。)

ルアーを作り始めた頃は、フェザーの旧製品(トルエン入り)を使っていましたが、それほどフィルムも剥がれることなく、 うまくコーティングできていましたが、藤倉社製の物でディッピングすると、フィルムが高確率で剥がれてきます。

あとは、湿度の高い季節だと、乾燥後に白濁が起きるわけですが、藤倉の物は、白濁も強いですね。揮発の速い溶剤成分が多いのでしょうか・・・ フェザーの旧製品が使いやすかったという印象ですが、現行品はノントルエンタイプに変更となっていて、 塗膜が柔らかくイマイチのようなので、評判の良い藤倉の製品を買ってみた次第です。

ですが、私の場合は色々と苦労しているといった状況なので、フィルム剝れに対する対策を考えてみました。

おそらく、フィルムが剥がれるのは、粘着面に溶剤が浸透して、粘着物を溶かしているからだと思います。 そして、藤倉の製品は、強い溶剤を多く含んでいるのか、はたまた濃いので厚塗りで乾燥が遅いのか、 理由は分かりませんが、フィルム剥がれが発生しやすいのです。

改善するために

・樹脂を溶かしにくい弱い溶剤で薄める。

・乾燥速度を上げて、フィルムが剥がれる前に、溶剤を揮発させてしまう。

といった事を考えてみました。

方法

考えた方法が1の液です。弱溶剤メタノール(燃料用アルコール)で希釈した超速乾セルロースです。これでディッピングした後、2の液でディッピングして仕上げます。

1.セルロースセメント原液:燃料用アルコール = 1:1

ディッピング回数3~4回

2.セルロースセメント原液:リターダー = 9:1

ディッピング回数5~6回 +(必要に応じてドライヤー対策

1つ目の液は、フィルムの浮き上がり(剥がれ)を防止するために、 超速乾性で、フィルムの粘着面が侵される前に速攻で乾燥します。

なお、燃料用と名前にある通り、燃えます。理科の実験に使われるアルコールランプの燃料だったり、バーベキューなどで使うジェル状着火剤の燃焼成分だったりします。セルロールセメントに元から入っている有機溶剤も引火性がありますが、これもよく燃えるので火気には注意です。

2つ目の液は、白濁しないようにリターダーを入れた液です(ゆっくり乾く液)。 藤倉社製のセルロースは濃く、原液ではドロドロしすぎて使いにくいので、粘度を下げるための希釈も兼ねています。

1つ目の液は速乾性であるがために、必ず白濁してしまいます。

白濁が酷いので、この液だけで塗膜を厚くしていくと、白濁したボコボコ面に、目に見えないくらいの微小な気泡が入り込むのか、 強度が弱い感じがします。

このため、速乾性の液は最初の使用だけにとどめて、 フィルムが固定された後は、綺麗に仕上げるためにリターダーを入れたセルロースでディッピングしていきます。

1つ目の液でディッピングが終了した後は白濁が酷いですが、構わず、 2つ目の本コーティングの液で、しっかりした塗膜を作っていけば綺麗に仕上がります。

私が藤倉社製のセルロースセメントでディッピングする場合の参考情報です。